任意後見契約によって守られる生活

よしむら行政書士事務所 行政書士の吉村です。
今日は任意後見契約によって守られる生活についてです。
以前、任意後見契約の作成をお手伝いした方が認知症やそれに伴う精神的な錯乱などによって任意後見監督人選任申立をされたそうです。
任意後見監督人選任によって何がかわるのでしょうか?

任意後見契約とは

任意後見契約とは、法定後見制度のひとつです。
あらかじめ、お世話をお願いする人、その内容、報酬の有無などを決めておき、公正証書で作成します。
お世話される方が元気な間は任意後見契約の出番はありません。
認知症等によって日常生活を送ることが難しくなった時に出番を迎えます。

詳しくはこちらをご覧ください。
認知症等に備える任意後見契約 – よしむら行政書士事務所 (yoshimura-office.com)

任意後見と成年後見との違い

任意後見と成年後見の違いはどこにあるのでしょうか?
先ほども書きましたが、任意後見契約は元気なうちにお世話してもらう人、お願いする内容を決めておきます。
一方、成年後見は認知症等になり判断能力が無くなったときに家庭裁判所に申し立てます。
成年後見の場合、後見人は家庭裁判所が決定します。
候補者を立てることはできますが、その候補者が選ばれるとは限りません。
少し強い言い方になりますが、全く知らない人(後見人)がやってくるイメージです。
もっとも、後見人は弁護士や司法書士など後見業務に長けた専門家が選ばれます。
とはいえ、全く知らない人が後見人になることに抵抗や不安を覚える人、家族はいらっしゃると思います。
その点、任意後見はお世話をお願いする人を選ぶことができるので安心できます。

お世話する人(任意後見人)を監督する任意後見監督人

任意後見では、お世話をお願いする人をあらかじめ決めておきます。
家族やいつもお世話になっている人など専門家である必要はありません。
もちろん信頼している人、信頼できる人を任意後見人に選んでいるはずです。
とはいえ、そこは人間です。
絶対に悪いことをしないとは限りません。
そんな時のために選ばれるのが「任意後見監督人」です。
任意後見監督人は任意後見人を監督し、家庭裁判所に対して報告します。
任意後見監督人には、弁護士、司法書士などの専門家からを家庭裁判所が選任することが多いです。
また、任意後見監督人の報酬は、本人(お世話される人)の財産状況によって家庭裁判所が決定します。

任意後見人はいつから活動できるのか

任意後見契約が発効される=任意後見監督人が選任される、ことを意味します。
このタイミングで任意後見受任者から任意後見人となります。
任意後見監督人が選任されると家庭裁判所から任意後見監督人が選任されたことが通知され、家庭裁判所が登記を行います。

任意後見人がやるべきこと・できること

任意後見人ができることは、任意後見契約にある代理権目録に書いていることです。
一般的に、預貯金の管理、各種支払い、医療機関や施設への入院・入所時の契約に関すること、不動産の管理などが挙げられます。
お世話してもらう人(本人)に代わってこれらを行うことができるようになります。
まずは、登記完了後(およそ2週間程度)、登記事項証明書を取得して通帳の名義変更などを行うことが最優先になります。
もちろん、預貯金、通帳の管理が代理権目録にあればですけどね。
金額の大きな取引(不動産の処分など)は事前に監督人に相談しながら進めるようにした方がいいです。
「代理権目録にあるからなにやってもいい」とはなりません。
あくまで、本人のために、本人の利益になるように行動しなければなりません。

また、任意後見監督人に対して就任時報告を行います。
・就任時の事務報告書
・財産目録(初回報告用)
・年間収支予定表
・通帳コピーなど財産に関する資料
などの提出が求められることが多いです。

就任時報告以降は任意後見契約に定められた期間に応じて監督人に対して報告します。
任意後見事務報告書に記載して報告することが多いです。

いかがでしょうか?
任意後見契約を結んでおいた結果、継続して支援を受けることができることがお分かりいただけるかと思います。
詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。

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