クリニックの移転で注意すべきこと

よしむら行政書士事務所 行政書士の吉村です。

日によっての寒暖差はあるものの確実に春が訪れています。
花粉症の私にはつらい季節となりました…。

今回は「クリニックの移転」について考えてみます。

クリニック移転時の注意点とは

「順調に患者さんが増えて手狭になった」
「診療科を増やしたい」
などクリニックの移転を考えるタイミングがあるかと思います。

住居の引っ越しや飲食店・店舗の引っ越しに比べると制約がありますし、手続きも必要となります。
また、思い立ったらすぐに移転できるわけではありません。
計画的に進める必要があります。

クリニックの移転を考える際には以下のようなことに注意しなければなりません。
① 現在のクリニックからの距離
② クリニック移転に必要な手続き
③ 移転を考えてから完了までの時間

① 現在のクリニックからの距離

現在のクリニックと移転先の距離はとても重要です。
「至近の距離(2㎞)」を超えて移転をすると保険医療機関指定の遡及申請ができなくなるからです。
遡及申請ができれば、切れ目なく保険診療が継続できます。
これは経営上とても重要だと考えます。

② クリニック移転に必要な手続き

クリニック移転には移転先クリニックの開業手続きと移転元クリニックの廃止手続きが必要となります。
保険医療機関指定の遡及申請は新しいクリニックの開設届、旧クリニックの廃止届を届け出てからでないと申請できません。

①移転先の診療所開設届、移転元の診療所廃止届
 保健所に提出します。
②移転先の保険医療機関指定申請、移転元の保険医療機関指定廃止届
 2㎞以内での移転の場合、保険医療機関指定申請において遡及申請も行います。

医療法人の場合、定款変更認可申請、診療所開設許可申請も必要となります。

③ 移転を考えてから完了までの時間

移転を考えてから完了までの時間は1年~数年単位で考えておく必要があります。
移転先を検討、決定することに時間がかかると思われます。
保険医療機関指定の遡及申請を前提に2㎞以内で物件を見つけることが大変になります。
都心部のテナントであっても、クリニックが入れる物件なのか、必要な広さを確保できるかなどハードルは高いです。
郊外の場合、まとまった土地が確保できるかが問題となります。

移転先候補が決まった後は、設計、保健所への事前相談などが必要です。
その後、工事や引っ越しなどを行います。

今日はクリニックの移転について考えてみました。
移転をお考えでしたらお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です